「今日の晩ごはんどうする?」
「マムシ」
三連休なか日の昼下がり、もち米の稲刈り中、田んぼに立派なずんぐりマムシが登場。すぐさま人間様に捕まり、毒牙をもの珍しそうにじろじろ見られて、ぎゃあぎゃあ騒がれて、挙句の果てに首をぎゅうと縛られる。しばらくすると胴体がだらんと垂れ下がって脱力。
さて、このマムシ、どうしよう。近所のおじいちゃんのところへぶら下げて持っていく。
「こりゃあ、串に刺して焼いて食え」
…と言われても(笑)もうちょい詳しく食べ方を聞いてみる。
「皮てなもん、ぺろぺろ~っとむけるさけ、むいたらそれを焼くねん。うまいでぇ」
「味は何をつけるん?」とたずねると、
「そりゃ醤油や」
おじいちゃん、あまりにも楽しそうに話すので、「このマムシ、食べる?」って聞くと、
「いらん」と即答。
「いらんのかい!」とつっこみたくなる気持ちを抑えて、マムシをまたぶら下げて持って帰る。
なるほど。おどろおどろしい模様の皮だけど、意外とペロッとむける。身は半透明で綺麗。もちろん、捕獲から調理までこれら一連の“ぐろい“作業は私でなくて彼がします。よろしく!
ということで、おじいちゃんの食べ方とはちょっと趣向を変えて、マムシのかば焼きが完成。
さて、気になるお味。骨がコリコリしてて、かむと隣の人にまでそのコリコリ音が聞こえる。おつまみのイワシせんべいみたい。魚系。言わなかったら絶対マムシってわかんない。普通に、おいしい。でもなんとなく、一切れで十分。苦笑い。
米のはざがけも無事終わり、お疲れさまの食卓にまさかマムシが並ぶなんて。
「明日のお弁当。何いれてこうかな。」
「マムシは。」
いやぁ…それはちょっと、遠慮する。
ヤマガラさん友達計画、手始めに古い巣箱を掃除!
…と、一昨年かけた巣箱をおろしかけたら、なんだかどしんと重い。
あけたらびっくり!
大きな大きなくりくりのおめめ。
数を減らした生き物たちとの出会いに胸が高鳴るひととき。
人の煩雑な暮らしとは無関係に、素朴に与えられた時間と空間の中で、まっとうに生きるその姿が、この上なく愛らしく、そして尊い。
巣箱はまたそのままそおっと木にかけなおしました。
お騒がせいたしました。